妄想お化け☆ぱーとつー
えっちな表現がたまにある、ラノベ系小説を書いています。ノーマルな小説も読んでみたい方は、本館も覗いてみてください。
☆目次☆
●ローファンタジー●
「魔術師よ、私の心に雨を降らせて」
【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】 【第6回】
【第7回】 【第8回】 【第9回】 【第10回】 【第11回・最終話】
【あとがきと人物紹介】
●ライトファンタジー●
「赤い果実と月夜のオアシス」
【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】 【第6回】
【第7回・最終話】 【あとがきと人物紹介】
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【2】
艶めく黒髪の合間から、あどけない瞳が覗いてる。ワインレッドの瞳が、危うく揺れている。彼女は月之森シア。石の建物の住人だ。このオアシスで、魂の管理をしている。
人をオアシスに放り込むのが日課なんだそうな。「特殊な処置」を施した人体は、オアシスに沈むと幽体離脱するらしい。肉体はそのまま、「破棄」するようだ。怖い話だけど、重罪犯への刑だということで安心した。
僕は今、石の建物の中にいる。思った通り、ここはハーレムだった。ただし、建物の主は男じゃなく女。レラとかいう、シアの姉だ。
湖で救助をして以来、僕はシアに気に入られてしまったらしい。姉に取り次いでくれて、部屋を与えてくれた。それだけじゃない。毎日果物だとかスープだとかを、彼女自身の手で運んでくるんだ。
結構仲良く過ごせてるかな。ま、砕けた会話はいまだに無いけどね。どうも彼女は、内気な性格らしいんだ。でもちゃんと、意思は伝えてくるんだよな。
――アートに付き合ってほしいって言われて、今日は彼女の部屋にいる。そこで裸体を晒してる僕を、シアはずっと見つめていた。彼女はしきりに手を動かして、僕の体を模写している。いわゆる裸体モデルってやつだ。これが反対の立場だったら良かったんだけど。
「あの、雨守さま」
シアが遠慮がちに、僕に声を掛けてきた。「ん?」と反応すると、彼女は言葉を続けてくる。
「こっちに近寄ってもらっていいですか? 正面からよく見てみたくて」
「ああいいよ」
リクエスト通り、少し彼女に近づいた。これでも結構、近いな。
「え……と。もう少し、近くで」
まだ不足らしい。ちょっと躊躇ったけど、思い切って至近距離に踏み込んでみた。彼女は顔を赤らめて、何かに必死で耐えているような顔をする。そして切なく、「はぁあ」と息をついた。
そんな反応をされると、変に意識してしまうだろ。勘弁してくれ。まあでも、彼女オクテそうだし。そりゃあこういう反応にもなるか。
「もう、いいかな?」
ずっとカチコチになってるシアに、なるだけマイルドに言ってみた。
「ぁ、そうですね。ありがとうございます……」
「ポーズに何か、リクエストとかある?」
ここで更なるサービス精神を見せてしまうのが、僕の人の良さだな。
「あ……の。その」
「うん?」
両手の指先を合わせて、何やら迷っている様子だ。でも、勇気を出した様子で唇を動かす。
「ぼっき……した様子を見てみたいです」
「ぼっき?」
なんかシアの口から、とんでもないワードが出てきたような。……うん、言ったな。しっかりと。
「そ、それってペニ……」
「ごめんなさい! そんなの無理ですよね! ごめんなさい!」
これは一体、どういうシチュエーションなんだ? うう〜ん。アートの世界はよくわからん。でもまあいっか。暇だし。他ならぬ美女からの頼みだし。
「か、構わないけど。でもちょっと、待ってて。さすがにここでは緊張して……」
僕は急遽、物陰に移動した。そしてどうにかモノを奮い立たせる。それを露出するのは緊張したけど、やってみたら案外気持ちよかった。
僕のソレがそそり立つさまを見て、シアは赤面する。そして微かに震え始めた。その唇から、甘い声まで溢れだす。
「あぁ……ぁぁ……」
だからそんな反応されると、変に意識しちゃうだろ! まるでお預け食らった子犬じゃないか……。指先で突っついたら、崩れ落ちそうだ。
いたずらしてしまいたい衝動が、幾度となく湧いてくる。でも下手にちょっかいを出すと、自分の殻に閉じこもりかねない。この人の天然さは、まだまだ温存しておくべきだからな。僕はそう自分に言い聞かせて、どうにかこの場を乗り切る。模写を終えたシアは、とても嬉しそうに礼を言った。
僕は笑顔でそれに応えると、服を着て部屋から逃走する。いまだ衰えない下半身を、どうにかしなければならなかったからだ。僕はしばらく、その辺で風に当たることにした。
廊下の窓からは、外の様子が良く見える。嘘のように晴れ渡った空。欺瞞に満ちた青い湖。作業をするベールの女たち。平穏、安楽。裏腹に襲ってくる、言いようの無い不安。僕がこの楽園受け入れられないのは、一体なぜなんだろう。ふとそう考えた。
そこで僕は、大変なことに気がつく。常に身に着けていた三日月刀が、無くなっていたんだ。砂漠の妖怪を退治するために持ってきた、唯一の武器だった。裸になったときに、置き忘れてしまったんだな。僕は急いで、シアの部屋に向かった。
「はぁんっ」
そのドアの向こうから、突然艶めいた声が聞こえてくる。直後、ドタドタと何かが崩れ落ちるような音がした。
無断でドアを開けてみると、シアが床に転がっている。粘土の塊らしきものにしがみ付き、「はぁはぁっ」と荒い息を立てていた。
「シア、どうしたんだ?! 具合でも悪いのか?」
シアはきょとんとした目で、こちらを見上げてくる。頬が上気していたせいか、ひどく幼く見えた。その可愛らしい口やほっぺには、粘土らしきものが付着している。
なんか、生クリームみたいだな。ショートケーキを無造作に食べた、子供みたいな雰囲気だ。
「あ。あ、雨守さま! え、えっと。これは……」
イタズラが見つかった子供みたいに、彼女は慌てふためいた。
「あれ。ここらへんが濡れてるよ。水でも溢したの?」
太ももの内側だけが、異様に汗をかいている。一体彼女に、何があったんだ? 何かを取り繕うように、シアは「そ、そうなんです」と答えた。そして続ける。
「雨守さまの彫像を創ろうと思って、粘土で肉付けしてたんですけど……。ちょっと手が滑って、倒してしまいました」
ああ。さっき僕が、モデルになったやつか。
「なるほどね。でもこの粘土、原型をとどめてないのが凄いね。よっぽど激しい倒れ方をしたんだね」
「えっ?! あ、ああ、そうですね。衝撃で周りの物が落ちてきたから、びっくりして取り乱して……。気づいたらグチャグチャになってました」
だからこんな惨状になってるわけか。それにしても取り乱しすぎだろ。ほんと天然だなあ。
「でもさ、シア。口の中に粘土が入っちゃってるけど、大丈夫?」
「あ、それは大丈夫です。私も元は、泥人形ですから」
一瞬、冗談かと思った。でも顔は大マジだ。冗談を言うタイプじゃ無いのはわかるから、本当のこと……なんだろうなあ。
「キミが、泥人形?」
「はい。姉さまに魂を入れていただいた、泥の塊です」
そうか。シアは、人間じゃない。でも精霊だとかエルフってわけでもない。ってことはモンスターだ。妖魔が創造したモンスター。良く言えば、「操り人形」か。操られて何をしているのかと言えば、人間の魂の管理。もとい、魂の刈り取り役だ。オアシス管理者の、便利な道具ってわけだな。
「そうは見えないくらい、綺麗だ」
思わず、そう呟いてしまった。口が勝手にそう言ったんだ。村にはこんな綺麗な人、いなかったもんなあ……。人形には見えないくらい瑞々しい。いや、人形だからこそ綺麗なのかもしれないな。わざわざブサイクな人形を創るヤツなんて、マニア以外にはいないだろうしね。
シアは僕の言葉に、俯いてしまった。赤くなって恥ずかしそうにしてる。僕は思わず、頭をヨシヨシしてしまった。シアは体を、これ以上無いくらい緊張させる。
彼女を大切にしたいという思いが、ふと頭によぎった。でもその動機は、純粋な好意ばかりじゃない。罪悪感とか同情という感情が、少なからず存在していた。
僕の旅の目的は、砂漠に巣食う妖怪の退治だ。シアの姉さんを、この手で殺さなければならない。そんな後ろ暗い感情が、僕の心を締め付け始めた。
●続く●
艶めく黒髪の合間から、あどけない瞳が覗いてる。ワインレッドの瞳が、危うく揺れている。彼女は月之森シア。石の建物の住人だ。このオアシスで、魂の管理をしている。
人をオアシスに放り込むのが日課なんだそうな。「特殊な処置」を施した人体は、オアシスに沈むと幽体離脱するらしい。肉体はそのまま、「破棄」するようだ。怖い話だけど、重罪犯への刑だということで安心した。
僕は今、石の建物の中にいる。思った通り、ここはハーレムだった。ただし、建物の主は男じゃなく女。レラとかいう、シアの姉だ。
湖で救助をして以来、僕はシアに気に入られてしまったらしい。姉に取り次いでくれて、部屋を与えてくれた。それだけじゃない。毎日果物だとかスープだとかを、彼女自身の手で運んでくるんだ。
結構仲良く過ごせてるかな。ま、砕けた会話はいまだに無いけどね。どうも彼女は、内気な性格らしいんだ。でもちゃんと、意思は伝えてくるんだよな。
――アートに付き合ってほしいって言われて、今日は彼女の部屋にいる。そこで裸体を晒してる僕を、シアはずっと見つめていた。彼女はしきりに手を動かして、僕の体を模写している。いわゆる裸体モデルってやつだ。これが反対の立場だったら良かったんだけど。
「あの、雨守さま」
シアが遠慮がちに、僕に声を掛けてきた。「ん?」と反応すると、彼女は言葉を続けてくる。
「こっちに近寄ってもらっていいですか? 正面からよく見てみたくて」
「ああいいよ」
リクエスト通り、少し彼女に近づいた。これでも結構、近いな。
「え……と。もう少し、近くで」
まだ不足らしい。ちょっと躊躇ったけど、思い切って至近距離に踏み込んでみた。彼女は顔を赤らめて、何かに必死で耐えているような顔をする。そして切なく、「はぁあ」と息をついた。
そんな反応をされると、変に意識してしまうだろ。勘弁してくれ。まあでも、彼女オクテそうだし。そりゃあこういう反応にもなるか。
「もう、いいかな?」
ずっとカチコチになってるシアに、なるだけマイルドに言ってみた。
「ぁ、そうですね。ありがとうございます……」
「ポーズに何か、リクエストとかある?」
ここで更なるサービス精神を見せてしまうのが、僕の人の良さだな。
「あ……の。その」
「うん?」
両手の指先を合わせて、何やら迷っている様子だ。でも、勇気を出した様子で唇を動かす。
「ぼっき……した様子を見てみたいです」
「ぼっき?」
なんかシアの口から、とんでもないワードが出てきたような。……うん、言ったな。しっかりと。
「そ、それってペニ……」
「ごめんなさい! そんなの無理ですよね! ごめんなさい!」
これは一体、どういうシチュエーションなんだ? うう〜ん。アートの世界はよくわからん。でもまあいっか。暇だし。他ならぬ美女からの頼みだし。
「か、構わないけど。でもちょっと、待ってて。さすがにここでは緊張して……」
僕は急遽、物陰に移動した。そしてどうにかモノを奮い立たせる。それを露出するのは緊張したけど、やってみたら案外気持ちよかった。
僕のソレがそそり立つさまを見て、シアは赤面する。そして微かに震え始めた。その唇から、甘い声まで溢れだす。
「あぁ……ぁぁ……」
だからそんな反応されると、変に意識しちゃうだろ! まるでお預け食らった子犬じゃないか……。指先で突っついたら、崩れ落ちそうだ。
いたずらしてしまいたい衝動が、幾度となく湧いてくる。でも下手にちょっかいを出すと、自分の殻に閉じこもりかねない。この人の天然さは、まだまだ温存しておくべきだからな。僕はそう自分に言い聞かせて、どうにかこの場を乗り切る。模写を終えたシアは、とても嬉しそうに礼を言った。
僕は笑顔でそれに応えると、服を着て部屋から逃走する。いまだ衰えない下半身を、どうにかしなければならなかったからだ。僕はしばらく、その辺で風に当たることにした。
廊下の窓からは、外の様子が良く見える。嘘のように晴れ渡った空。欺瞞に満ちた青い湖。作業をするベールの女たち。平穏、安楽。裏腹に襲ってくる、言いようの無い不安。僕がこの楽園受け入れられないのは、一体なぜなんだろう。ふとそう考えた。
そこで僕は、大変なことに気がつく。常に身に着けていた三日月刀が、無くなっていたんだ。砂漠の妖怪を退治するために持ってきた、唯一の武器だった。裸になったときに、置き忘れてしまったんだな。僕は急いで、シアの部屋に向かった。
「はぁんっ」
そのドアの向こうから、突然艶めいた声が聞こえてくる。直後、ドタドタと何かが崩れ落ちるような音がした。
無断でドアを開けてみると、シアが床に転がっている。粘土の塊らしきものにしがみ付き、「はぁはぁっ」と荒い息を立てていた。
「シア、どうしたんだ?! 具合でも悪いのか?」
シアはきょとんとした目で、こちらを見上げてくる。頬が上気していたせいか、ひどく幼く見えた。その可愛らしい口やほっぺには、粘土らしきものが付着している。
なんか、生クリームみたいだな。ショートケーキを無造作に食べた、子供みたいな雰囲気だ。
「あ。あ、雨守さま! え、えっと。これは……」
イタズラが見つかった子供みたいに、彼女は慌てふためいた。
「あれ。ここらへんが濡れてるよ。水でも溢したの?」
太ももの内側だけが、異様に汗をかいている。一体彼女に、何があったんだ? 何かを取り繕うように、シアは「そ、そうなんです」と答えた。そして続ける。
「雨守さまの彫像を創ろうと思って、粘土で肉付けしてたんですけど……。ちょっと手が滑って、倒してしまいました」
ああ。さっき僕が、モデルになったやつか。
「なるほどね。でもこの粘土、原型をとどめてないのが凄いね。よっぽど激しい倒れ方をしたんだね」
「えっ?! あ、ああ、そうですね。衝撃で周りの物が落ちてきたから、びっくりして取り乱して……。気づいたらグチャグチャになってました」
だからこんな惨状になってるわけか。それにしても取り乱しすぎだろ。ほんと天然だなあ。
「でもさ、シア。口の中に粘土が入っちゃってるけど、大丈夫?」
「あ、それは大丈夫です。私も元は、泥人形ですから」
一瞬、冗談かと思った。でも顔は大マジだ。冗談を言うタイプじゃ無いのはわかるから、本当のこと……なんだろうなあ。
「キミが、泥人形?」
「はい。姉さまに魂を入れていただいた、泥の塊です」
そうか。シアは、人間じゃない。でも精霊だとかエルフってわけでもない。ってことはモンスターだ。妖魔が創造したモンスター。良く言えば、「操り人形」か。操られて何をしているのかと言えば、人間の魂の管理。もとい、魂の刈り取り役だ。オアシス管理者の、便利な道具ってわけだな。
「そうは見えないくらい、綺麗だ」
思わず、そう呟いてしまった。口が勝手にそう言ったんだ。村にはこんな綺麗な人、いなかったもんなあ……。人形には見えないくらい瑞々しい。いや、人形だからこそ綺麗なのかもしれないな。わざわざブサイクな人形を創るヤツなんて、マニア以外にはいないだろうしね。
シアは僕の言葉に、俯いてしまった。赤くなって恥ずかしそうにしてる。僕は思わず、頭をヨシヨシしてしまった。シアは体を、これ以上無いくらい緊張させる。
彼女を大切にしたいという思いが、ふと頭によぎった。でもその動機は、純粋な好意ばかりじゃない。罪悪感とか同情という感情が、少なからず存在していた。
僕の旅の目的は、砂漠に巣食う妖怪の退治だ。シアの姉さんを、この手で殺さなければならない。そんな後ろ暗い感情が、僕の心を締め付け始めた。
●続く●
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