妄想お化け☆ぱーとつー
えっちな表現がたまにある、ラノベ系小説を書いています。ノーマルな小説も読んでみたい方は、本館も覗いてみてください。
☆目次☆
●ローファンタジー●
「魔術師よ、私の心に雨を降らせて」
【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】 【第6回】
【第7回】 【第8回】 【第9回】 【第10回】 【第11回・最終話】
【あとがきと人物紹介】
●ライトファンタジー●
「赤い果実と月夜のオアシス」
【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】 【第6回】
【第7回・最終話】 【あとがきと人物紹介】
記事を気に入っていただけましたら、
下のバナーをクリックしていただけると嬉しいです。
Entries
閲覧は18歳以上の方でお願いします。
よろしければ、下の追記を表示からどうぞ。
よろしければ、下の追記を表示からどうぞ。
2・壊れゆく純粋培養
【1】-Tamaki-
「お嬢様! 探しましたよ!」
水希お嬢様は、酔い潰れていた。村人の宴に参加していたらしく、とても浮かれている。その手は、ヴァイオレットの裾を握っていた。
「ヴァイオレット! ……戻りなさい。約束が違います」
ヴァイオレットは私とメイドの渚を見て、苦い顔をする。
「環(たまき)! 私が彼を連れ出したの。許してあげて?」
お嬢様が、ヴァイオレットの前に出て両手を広げた。悪者に果敢に立ち向かうような、健気な瞳。そんな顔をされると、いじめをしているみたいでいたたまれなくなる。そんな私を察してか、連れがヴァイオレットを睨み、渇を入れてくれた。
「はは。渚さんに睨まれちゃ、戻らないわけにはいかないなあ」
世話係として付けてやった渚に、ヴァイオレットは苦笑いを交えて答えた。
渚は、鉄の女だ。どんな男にも陥落しない。この女なら、ヴァイオレットを管理していけるだろう。私はそう判断したのである。
邪魔者は消え、私は水希お嬢様のお手を取った。いつもならすぐに握り返してこられるのに、今日はあろうことか弾いた。お嬢様は、そのお手をご自身の胸に当てられる。そして、渚に連行されゆくヴァイオレットを見ていた。
その瞳は、ともに歩く私のことなど映しもしない。その瞳は潤み、揺れているのがわかった。そしてため息をつかれる。空想に耽っておられるご様子だ。
ああ、また抱かれたのか……。
ヴァイオレットを林から連れ出したのは、間違いだったな。奴はお嬢様をたぶらかし、初日から脱走して村をうろついた。しかも、堂々と雨まで降らせている。約束も糞もあったもんじゃない。私はどうも、甘かったようだ。
――そう。私は甘かった。まるで綿菓子のように。彼が約束を守らないことなど、想定できていたはずなのだ。なのになぜ、対策を考えなかったのか。なぜ私ともあろう者が、このような失態を犯してしまったのか。
ああ、わかりきっている。私はヴァイオレットを、あの場から逃したかった。放たれた魚がどう泳ぐのかを、見てみたかったのだ。
ヴァイオレットには、得体の知れない魅力がある。奴が場にいれば、空気が変わった。色は違えど、お嬢様と同じ形のオーラを持っている。つまりは私自身、彼に惹かれているということだ。胸糞の悪い話だが、それが事実だ。
ん? 水希お嬢様が、若干歩を緩めたようだな。
「環」
そう言って、お嬢様は私を見上げている。いつの間にか、私のほうが物思いに耽っていたようだ。
「なんでしょう」
「『隣の芝は青い』症候群とは、どういう意味?」
「……ヴァイオレットが言ったんですか?」
「ええ。あの人は一体、私に何を言いたかったのでしょう」
「なんてことはありません。自分より他人が良く見えてしまうことの例えです。つまりは、周りばかり見てもしょうがないということですよ」
「そういうことですか。では、精一杯とはどういう状態? 精一杯誰かを愛するには、どうすればいいの?」
「精一杯ですか。見返りを求めない、という表現に近いでしょうね。なりふり構わず、とにかく愛するんです」
「一方的でも悔やまないということですか」
「ええ恐らく。お嬢様はなぜ、そのようなことを気にされているので?」
「ヴィオラが言っていたの。精一杯誰かを愛すれば、少しは誰かから、愛を返してもらえるかもしれないと」
「なぜ、そのような話を?」
「彼は人が好きみたいで……。彼は村人たちの言葉に耳を傾け、同情し、笑いをもたらしたわ。環が苦労して手に入れた愛情全てを、彼は一日足らずで手に入れたの」
そこで水希お嬢様は、荒れ始めた息を整えた。そしてトーンを落とし、話を続ける。
「私はヴィオラほど、村人たちから愛されていない。そう思ったら、言いようの無い感情が押し寄せてきたの。彼に、私の醜い気持ちをぶつけてしまったわ」
なるほど、嫉妬か。天才的に人の心につけ入る、ヴァイオレットの才能。確かに稀有ではある。だが……。
「村人は皆、お嬢様を愛しておりますよ。それこそ両手で数え切れないほどの大勢が」
私の返答に、納得しておられないご様子だ。あなたは充分に魅力的であり、人を惹きつけてやまないというのに。あなたはヴァイオレットのことなど気にせず、これまでのように真っ直ぐなお気持ちでおられればいいのだ。
だがまあ、ヴァイオレットが外出さえしていなければ、このようなことにはならなかった。これは完璧に、私の失態だ。
それにしても恐ろしい。奴は水希お嬢様の自信を無くさせ、伊集院家のメンツを潰し、私の民との距離感を台無しにした。ヴァイオレットと民の絆は深まるばかり。このままでは、伊集院家はどうなるのか。早急に対策を練らなければならないな。
ん? 何だこの、甘い香りは。先ほどからも微かに香ってはいたが、これほどの強さではなかったな。立ち止まったら、強くなったようだが。
「お嬢様……この、香りは?」
「香り? この素敵な香りのこと? これならヴァイオレットです。あの人と『一つになる』と、このような香りになるのだと言っていました。あの人と共にある限り、この香りは消えないとも」
奴の体液の匂いか。奴から引き離せば、自然消滅するということだな。だが、禁断症状は起こるのかもしれん。気をつけねばな。
「お嬢様、奴は他に、何も言っていませんでしたか? 例えば、蟲がどうとか」
「蟲? ああ。あの蟲、ね!」
お嬢様は楽しそうに言って、ご自身の口の前で手を合わせた。そして答える。
「ヴィオラと一つになっているときに、とってもゾクゾクしたのだけど……それは蟲が騒いでいるのだと言っていました。彼が私の中に、蟲の卵を入れてくれたのですって。でもあんまり気持ちが良くなると、羽化した蟲が死んでしまうそうね。残念だわ」
嬉しそうなお嬢様とは対照的に、私の心は凍っていった。
「お嬢様……。あなたは恐らく、中毒になっています」
もう、耐えられない。お嬢様の細い腕を、私は強引に引っ張っていく。そして明かり一つ無い原っぱに、お嬢様を投げ出した。
突然のことに、お嬢様は声も無く驚愕している。
「中毒になるまで、むさぼったのですか。そんなにあの男が、良かったのですか……」
恐怖に顔を歪ませたお嬢様に、私は強引に覆いかぶさった。
「いやっ」
「何が嫌なのです! ヴァイオレットには許したのでしょう?!」
「どうしたの環。私、こわい……」
ついにお嬢様は、泣き出してしまった。だがもう、限界なのだ。仕方の無いこと。
お嬢様を奪ったヴァイオレット。しかも、毒を使うという卑劣な方法で奪い去った彼が憎い。いや、憎みたい。私は憎むべきだ。
あの半妖は、我ら火の運び手の天敵だった。遥か昔の研究文献を読んで、弱点だって掴んだ。奴は、放っていけば孤独死する。だから先人は、閉じ込めておいたのだ。だが奴は、死ななかった。推測するに、奴は悪魔から毒を得て、なんとか生き延びてきたのだろう。
魔の力と水の力を操ることができる半妖。末恐ろしい奴だ。剣を持って立ち向かったところで、そのまま抵抗もせず殺されてくれるはずはない。正攻法は無理だろう。
だったらどうしたらいいのか。解毒だ。適当な女を遣して、奴の体内に魔よけでもねじ込んでしまえばいい。そうすればこれ以上、悪魔と取引できない。後は、血液の入れ替え期間を待てばいいのだ。それで解毒は完了する。そして再度林に放り込めば、奴は孤独で凍え死ぬだろう。
だが、そこまではしない。悪魔との契約ぐらいはさせてやる。渚だってくれてやろう。殺すのは惜しいからな。情けない話だが、ヴァイオレットにはやはり、どこかしら魅力があるのだ。それは毒だとかいう問題じゃない。あくまで人間性の話だ。
奴には生きていてもらう。だが水希お嬢様には会わせない。それで解決だ。
「いやあっ。ヴィオラ! ヴィオラぁっ。ヴィオラじゃなきゃやだあ〜!」
うるさい。私以外の男の名前ばかり呼ぶんじゃない。私は平手で、その綺麗な顔をぶった。止めどもなく溢れる涙、絶望したような表情、嗚咽。見たことの無いお嬢様の表情に、私の下半身はそそり立った。欲望のまま、それをぶち込んでやる。
お嬢様目を見開き、首を横に振って泣き叫んだ。そして呻く。
「うぅうう……っ」
かわいそうな娘だ。私はとても、いけないことをしている。だが、これは正義でもあるのだ。その体内の蟲を殺すには、強い快楽が必要なのだから。私が与えてやる。より強い、快楽を。
猛りを深く突き入れると、この娘の口から荒い息が吐き出された。
「ぅう……んっ」
月夜に浮かび上がる顔に、悦びの表情が見て取れる。今度はゆっくりと、猛りを抜いていった。
「あ……ぁぁあ」
結合が解けないように、ギリギリのところまで抜いていく。そして動きを止めた。娘が、物欲しそうな顔をしている。私は閉じかけた花びらを、乱暴に抉じ開け押し入った。そしてかき乱す。
「……ああっ!」
娘の小さな突起を腹で刺激しながら、何度でも何度でも抜き差しした。
「あぁっ……あああ!」
いい声だ。激しく擦ると咽ぶように鳴き、かき回すと恍惚に溺れた。
「たまきっ。おねがい。中に出して? わたしを……たまきの精液でいっぱいにして……?」
「では水希、言いなさい。『ヴァイオレットは、私を弄んだ最低の男です』と」
娘は、戸惑ったような表情を見せた。
ここまで快楽に溺れておきながら、まだ理性なんてものを持っていたのか。許せない。私は力任せに、娘のブラウスを破いた。そして娘の胸を、力強く吸う。
「あうっ」
「さあ言うんだ!」
「ヴァイオレットは……、わたしを弄んだ、さいていの……、あんっ」
私の動きに反応して、嬌声を出してしまったようだ。
「中に出して欲しいのであれば、ちゃんと言いなさい」
「ヴァイオレットは、わたしをもてあそんだ、最低の、おとこ……です」
いいだろう。では仕上げだ。変わらず冷たく見下ろしながら、私は次の言葉を促す。
「もう一つ言えたら褒美をやる」
「もう、一つ……?」
「ああ、もう一つだ。『私が好きなのは、環だけです』。さあ言いなさい」
「……わたしが、好きなのは、たまきだけ……です」
今度は躊躇いなく言えたな。私はそこで、表情を緩める。
「よく出来ましたね。ご褒美をあげます」
その瞬間、水希お嬢様のお口から、歓喜の声がこぼれた。その可愛らしいお声に、私の全身も震える。そして私は、その体内に思いの丈をぶちまけた――。
私は屋敷に戻っても、水希お嬢様を解放しなかった。一晩中部屋に閉じ込め、彼女の中に出し続けた。何回イかせたかは、覚えていない。
――目を覚ました私が見たものは、横で寝ておられるお嬢様だ。天使のような、可愛い人。大切で大切でたまらない。まだ時間には余裕があるな。そうっとしておこう。
「……」
溢れくる優しい気持ち。だが、同時に襲ってくる空虚感。これは一体何だろう。念願だったお嬢様の体を、やっと手に入れることができたというのに。私は今、幸せなはずだ。だが心というものは、そう簡単には満たされてくれないものらしい。
私は枕に顔をうずめ、一人泣いた。
●続く●
【1】-Tamaki-
「お嬢様! 探しましたよ!」
水希お嬢様は、酔い潰れていた。村人の宴に参加していたらしく、とても浮かれている。その手は、ヴァイオレットの裾を握っていた。
「ヴァイオレット! ……戻りなさい。約束が違います」
ヴァイオレットは私とメイドの渚を見て、苦い顔をする。
「環(たまき)! 私が彼を連れ出したの。許してあげて?」
お嬢様が、ヴァイオレットの前に出て両手を広げた。悪者に果敢に立ち向かうような、健気な瞳。そんな顔をされると、いじめをしているみたいでいたたまれなくなる。そんな私を察してか、連れがヴァイオレットを睨み、渇を入れてくれた。
「はは。渚さんに睨まれちゃ、戻らないわけにはいかないなあ」
世話係として付けてやった渚に、ヴァイオレットは苦笑いを交えて答えた。
渚は、鉄の女だ。どんな男にも陥落しない。この女なら、ヴァイオレットを管理していけるだろう。私はそう判断したのである。
邪魔者は消え、私は水希お嬢様のお手を取った。いつもならすぐに握り返してこられるのに、今日はあろうことか弾いた。お嬢様は、そのお手をご自身の胸に当てられる。そして、渚に連行されゆくヴァイオレットを見ていた。
その瞳は、ともに歩く私のことなど映しもしない。その瞳は潤み、揺れているのがわかった。そしてため息をつかれる。空想に耽っておられるご様子だ。
ああ、また抱かれたのか……。
ヴァイオレットを林から連れ出したのは、間違いだったな。奴はお嬢様をたぶらかし、初日から脱走して村をうろついた。しかも、堂々と雨まで降らせている。約束も糞もあったもんじゃない。私はどうも、甘かったようだ。
――そう。私は甘かった。まるで綿菓子のように。彼が約束を守らないことなど、想定できていたはずなのだ。なのになぜ、対策を考えなかったのか。なぜ私ともあろう者が、このような失態を犯してしまったのか。
ああ、わかりきっている。私はヴァイオレットを、あの場から逃したかった。放たれた魚がどう泳ぐのかを、見てみたかったのだ。
ヴァイオレットには、得体の知れない魅力がある。奴が場にいれば、空気が変わった。色は違えど、お嬢様と同じ形のオーラを持っている。つまりは私自身、彼に惹かれているということだ。胸糞の悪い話だが、それが事実だ。
ん? 水希お嬢様が、若干歩を緩めたようだな。
「環」
そう言って、お嬢様は私を見上げている。いつの間にか、私のほうが物思いに耽っていたようだ。
「なんでしょう」
「『隣の芝は青い』症候群とは、どういう意味?」
「……ヴァイオレットが言ったんですか?」
「ええ。あの人は一体、私に何を言いたかったのでしょう」
「なんてことはありません。自分より他人が良く見えてしまうことの例えです。つまりは、周りばかり見てもしょうがないということですよ」
「そういうことですか。では、精一杯とはどういう状態? 精一杯誰かを愛するには、どうすればいいの?」
「精一杯ですか。見返りを求めない、という表現に近いでしょうね。なりふり構わず、とにかく愛するんです」
「一方的でも悔やまないということですか」
「ええ恐らく。お嬢様はなぜ、そのようなことを気にされているので?」
「ヴィオラが言っていたの。精一杯誰かを愛すれば、少しは誰かから、愛を返してもらえるかもしれないと」
「なぜ、そのような話を?」
「彼は人が好きみたいで……。彼は村人たちの言葉に耳を傾け、同情し、笑いをもたらしたわ。環が苦労して手に入れた愛情全てを、彼は一日足らずで手に入れたの」
そこで水希お嬢様は、荒れ始めた息を整えた。そしてトーンを落とし、話を続ける。
「私はヴィオラほど、村人たちから愛されていない。そう思ったら、言いようの無い感情が押し寄せてきたの。彼に、私の醜い気持ちをぶつけてしまったわ」
なるほど、嫉妬か。天才的に人の心につけ入る、ヴァイオレットの才能。確かに稀有ではある。だが……。
「村人は皆、お嬢様を愛しておりますよ。それこそ両手で数え切れないほどの大勢が」
私の返答に、納得しておられないご様子だ。あなたは充分に魅力的であり、人を惹きつけてやまないというのに。あなたはヴァイオレットのことなど気にせず、これまでのように真っ直ぐなお気持ちでおられればいいのだ。
だがまあ、ヴァイオレットが外出さえしていなければ、このようなことにはならなかった。これは完璧に、私の失態だ。
それにしても恐ろしい。奴は水希お嬢様の自信を無くさせ、伊集院家のメンツを潰し、私の民との距離感を台無しにした。ヴァイオレットと民の絆は深まるばかり。このままでは、伊集院家はどうなるのか。早急に対策を練らなければならないな。
ん? 何だこの、甘い香りは。先ほどからも微かに香ってはいたが、これほどの強さではなかったな。立ち止まったら、強くなったようだが。
「お嬢様……この、香りは?」
「香り? この素敵な香りのこと? これならヴァイオレットです。あの人と『一つになる』と、このような香りになるのだと言っていました。あの人と共にある限り、この香りは消えないとも」
奴の体液の匂いか。奴から引き離せば、自然消滅するということだな。だが、禁断症状は起こるのかもしれん。気をつけねばな。
「お嬢様、奴は他に、何も言っていませんでしたか? 例えば、蟲がどうとか」
「蟲? ああ。あの蟲、ね!」
お嬢様は楽しそうに言って、ご自身の口の前で手を合わせた。そして答える。
「ヴィオラと一つになっているときに、とってもゾクゾクしたのだけど……それは蟲が騒いでいるのだと言っていました。彼が私の中に、蟲の卵を入れてくれたのですって。でもあんまり気持ちが良くなると、羽化した蟲が死んでしまうそうね。残念だわ」
嬉しそうなお嬢様とは対照的に、私の心は凍っていった。
「お嬢様……。あなたは恐らく、中毒になっています」
もう、耐えられない。お嬢様の細い腕を、私は強引に引っ張っていく。そして明かり一つ無い原っぱに、お嬢様を投げ出した。
突然のことに、お嬢様は声も無く驚愕している。
「中毒になるまで、むさぼったのですか。そんなにあの男が、良かったのですか……」
恐怖に顔を歪ませたお嬢様に、私は強引に覆いかぶさった。
「いやっ」
「何が嫌なのです! ヴァイオレットには許したのでしょう?!」
「どうしたの環。私、こわい……」
ついにお嬢様は、泣き出してしまった。だがもう、限界なのだ。仕方の無いこと。
お嬢様を奪ったヴァイオレット。しかも、毒を使うという卑劣な方法で奪い去った彼が憎い。いや、憎みたい。私は憎むべきだ。
あの半妖は、我ら火の運び手の天敵だった。遥か昔の研究文献を読んで、弱点だって掴んだ。奴は、放っていけば孤独死する。だから先人は、閉じ込めておいたのだ。だが奴は、死ななかった。推測するに、奴は悪魔から毒を得て、なんとか生き延びてきたのだろう。
魔の力と水の力を操ることができる半妖。末恐ろしい奴だ。剣を持って立ち向かったところで、そのまま抵抗もせず殺されてくれるはずはない。正攻法は無理だろう。
だったらどうしたらいいのか。解毒だ。適当な女を遣して、奴の体内に魔よけでもねじ込んでしまえばいい。そうすればこれ以上、悪魔と取引できない。後は、血液の入れ替え期間を待てばいいのだ。それで解毒は完了する。そして再度林に放り込めば、奴は孤独で凍え死ぬだろう。
だが、そこまではしない。悪魔との契約ぐらいはさせてやる。渚だってくれてやろう。殺すのは惜しいからな。情けない話だが、ヴァイオレットにはやはり、どこかしら魅力があるのだ。それは毒だとかいう問題じゃない。あくまで人間性の話だ。
奴には生きていてもらう。だが水希お嬢様には会わせない。それで解決だ。
「いやあっ。ヴィオラ! ヴィオラぁっ。ヴィオラじゃなきゃやだあ〜!」
うるさい。私以外の男の名前ばかり呼ぶんじゃない。私は平手で、その綺麗な顔をぶった。止めどもなく溢れる涙、絶望したような表情、嗚咽。見たことの無いお嬢様の表情に、私の下半身はそそり立った。欲望のまま、それをぶち込んでやる。
お嬢様目を見開き、首を横に振って泣き叫んだ。そして呻く。
「うぅうう……っ」
かわいそうな娘だ。私はとても、いけないことをしている。だが、これは正義でもあるのだ。その体内の蟲を殺すには、強い快楽が必要なのだから。私が与えてやる。より強い、快楽を。
猛りを深く突き入れると、この娘の口から荒い息が吐き出された。
「ぅう……んっ」
月夜に浮かび上がる顔に、悦びの表情が見て取れる。今度はゆっくりと、猛りを抜いていった。
「あ……ぁぁあ」
結合が解けないように、ギリギリのところまで抜いていく。そして動きを止めた。娘が、物欲しそうな顔をしている。私は閉じかけた花びらを、乱暴に抉じ開け押し入った。そしてかき乱す。
「……ああっ!」
娘の小さな突起を腹で刺激しながら、何度でも何度でも抜き差しした。
「あぁっ……あああ!」
いい声だ。激しく擦ると咽ぶように鳴き、かき回すと恍惚に溺れた。
「たまきっ。おねがい。中に出して? わたしを……たまきの精液でいっぱいにして……?」
「では水希、言いなさい。『ヴァイオレットは、私を弄んだ最低の男です』と」
娘は、戸惑ったような表情を見せた。
ここまで快楽に溺れておきながら、まだ理性なんてものを持っていたのか。許せない。私は力任せに、娘のブラウスを破いた。そして娘の胸を、力強く吸う。
「あうっ」
「さあ言うんだ!」
「ヴァイオレットは……、わたしを弄んだ、さいていの……、あんっ」
私の動きに反応して、嬌声を出してしまったようだ。
「中に出して欲しいのであれば、ちゃんと言いなさい」
「ヴァイオレットは、わたしをもてあそんだ、最低の、おとこ……です」
いいだろう。では仕上げだ。変わらず冷たく見下ろしながら、私は次の言葉を促す。
「もう一つ言えたら褒美をやる」
「もう、一つ……?」
「ああ、もう一つだ。『私が好きなのは、環だけです』。さあ言いなさい」
「……わたしが、好きなのは、たまきだけ……です」
今度は躊躇いなく言えたな。私はそこで、表情を緩める。
「よく出来ましたね。ご褒美をあげます」
その瞬間、水希お嬢様のお口から、歓喜の声がこぼれた。その可愛らしいお声に、私の全身も震える。そして私は、その体内に思いの丈をぶちまけた――。
私は屋敷に戻っても、水希お嬢様を解放しなかった。一晩中部屋に閉じ込め、彼女の中に出し続けた。何回イかせたかは、覚えていない。
――目を覚ました私が見たものは、横で寝ておられるお嬢様だ。天使のような、可愛い人。大切で大切でたまらない。まだ時間には余裕があるな。そうっとしておこう。
「……」
溢れくる優しい気持ち。だが、同時に襲ってくる空虚感。これは一体何だろう。念願だったお嬢様の体を、やっと手に入れることができたというのに。私は今、幸せなはずだ。だが心というものは、そう簡単には満たされてくれないものらしい。
私は枕に顔をうずめ、一人泣いた。
●続く●
0件のコメント
コメントの投稿
0件のトラックバック
- トラックバックURL
- http://marbee.blog110.fc2.com/tb.php/4-8c97cff8
- この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)





