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●ローファンタジー●

魔術師よ、私の心に雨を降らせて
【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】 【第6回】
【第7回】 【第8回】 【第9回】 【第10回】 【第11回・最終話】
【あとがきと人物紹介】

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魔術師よ、私の心に雨を降らせて【第6回】

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【3】-Mizuki-

 ずっと気に掛かっている。優しかったヴィオラのこと。私は彼を、あんなにも泣かせてしまった。振り向いて駆け寄って行って、冗談だって言ってあげたかった。

 私はやっぱり、ヴィオラのことが……。ううん、そんなことは無いわ。私が好きなのは環。私のことを大事だって、守りたいって言ってくれたもの。私は環が、誰よりも好き。

 それにしても、あれから数日経つわ。ヴィオラ、今何をしているのかしら。凍えたりはしていないかしら。今から小屋に、行ってみようかしら。

「あー、もうっ」

 私は何を考えてるのかしら。一体何を期待してるの? 環以外の人に、抱かれる気なの? 今から夜の林を歩いて行って? 無理よ。私はどうかしてるわ。

「お嬢様……」

 よかった。環が来てくれた。これでヴィオラのことを考えなくて済む。

「なあに環」
「もしかして最近、ずっと火照りに耐えていらっしゃるのでは」

「……わかりますか?」
「ええ。それではいけません。私がこれより、鎮めて差し上げますから」

 どうしてかしら。なぜだか、そういう気にならない。

「いいの。今日は、自分でやってみるわ。鎮め方は、ずっとあなたがしてくれていたからわかります」

「そうですか。ですがお嬢様が心配です。私はドアの外で、待機しております。何か御用がありましたら、何なりとおっしゃってください」

「ありがとう。そうして」

 ああ……やり方がわかるなんて言ってみたけれど、不安だわ。いきなり直接入れるのは怖いし、今日はパンツの上からやってみよう。

 うつ伏せになって、左手の中指でコリコリを触ってみる。爪で軽く弾くと、思わず声が出てしまった。興奮で顔が火照ってくる。パンツがびちょ濡れになった。

 何だか恥ずかしい。でももっと、気持ちよくなりたい。私は突き立てた中指を、濡れたパンツの上から差し込むことにした。

「……うぅん……ううぅん」

 奥まで入れられないのがもどかしい。でも、この切なさがたまらない。何だかとても、淫らな気分。

「あンっ」

 毒が、抜けきれてなかったんだわ。もしかして蟲も?

 ヴィオラ――憎い人。私を弄んで、慰みものにして。でも、私の体は止められない。ヴィオラの肢体を思い出すと、中から溢れて濡れてきちゃう。彼の体温を感じたい。彼じゃなきゃ嫌。こんな思い、すごく矛盾してる。

「……」

 だめ。このままじゃ物足りない。もっと、気持ちのいいもの。もっと、刺激のあるものはないかな?!

 カーテン止めが目に入った。それを手に取ってみる。これで擦ったら、気持ちいいかも……。
 私はドキドキしながらカーテン止めに跨る。そして前後ろで紐を張り、交互に動かしてみた。
 あ、すごいっ。摩擦ですごく、熱が出る。わたしは夢中で擦った。

「はっ……あ……ぅ。あぅう……」

 でも違う。どんどん切なくなってくる。余計、あの人の体が欲しくなるだけだよ。
 目に入ったのは、使ってない歯ブラシ……。これで先っぽを撫でたら、どうなるだろう。パンツの上からじゃなくて、直接あててみた。

「ああっ」

 柔らかいような硬いような、なんだか変な感じ。
 わたしの先っぽが、じんじんしてる。 居ても立っても、いられない。

 ど、どうしよう。もう収まりがつかないよ。今すぐ何か、入れないと。大きくて硬いもの……。
 お父様の形見の、ステッキを見つけた。

 ――これなら!

「お嬢様……大丈夫でしょうか」

 外で見守っていた環が、声を掛けてくれた。

「ああ環っ! 来てくれたのね。うれしい!」

 環は何も言わずに、静かに微笑む。

「あなたのおおきいの、入れてくれるんでしょ!?」
「それだけは、できません」

 そ、そんな……。

「ねえ。わたしをめちゃくちゃにして? ね? でなきゃわたし……わたし……」

「そんなことは、許されません。この間の件で、反省したんです。いつものように、手でして差し上げます」

 絶望。この気持ち、私はどこに持っていけばいいの?
 そのとき、頭の奥がぷつんと切れた。行き場を無くした欲望が、私を狂わせてしまったの。


                                ●続く●

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